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そのメガロドンの歯は本物?偽物・補修品の見分け方を写真と実物で解説

JURANOTE FIELD NOTE / 化石を、ひとつずつ読み解く。
メガロドンの歯をルーペとブラックライトで確認するイメージ

「ネットで見つけたメガロドンの歯、写真では本物に見えるけれど大丈夫?」
「手元にあるメガロドンの歯が、もしレプリカだったらどうしよう」

メガロドンの歯は化石の中でも人気が高く、大きくて状態のよい歯ほど高値で取引されます。そのぶん、レプリカや補修された歯が、説明のないまま出回っていることもあります。

この記事では、これから買う方も、すでに手元に持っている方も、自分で確かめられる方法をまとめました。高い買い物で後悔しないために、参考にしてください。

メガロドンの歯の「偽物」は5種類ある

ひと口に「偽物」といっても、メガロドンの歯にはいくつかの種類があります。まったくの作り物もあれば、本物の化石に手を加えたものもあるため、まずは全体像を押さえておきましょう。

メガロドンの歯のレプリカ・継ぎ接ぎ・補修・着色研磨・別種を比較した図
種類どんなものか本物の化石を含むか
レプリカ樹脂や石膏などで型を取って作ったもの含まない
継ぎ接ぎ品別々の歯や破片を接着して1本に見せたもの含む
補修品欠けた部分を充填材で埋めて塗装したもの含む
着色・研磨品色やツヤを人工的に足したもの含む
別のサメの歯似た形の別種をメガロドンとして売るもの含む

このうち、レプリカと補修品は、それ自体が悪いものではありません。展示用や学習用のレプリカは広く作られていますし、欠けた歯を補修して飾れる形にした標本も、正規の商品として販売されています。

問題になるのは、補修やレプリカであることが書かれないまま、本物の未補修品と同じ値段で売られているケースです。

補修品は、同じ大きさの未補修品より安く取引されるのが一般的なため、表記がないと買う側だけが損をしてしまいます。

本物とレプリカの値段の違いは、次の記事で比べています。

▶ 化石は本物とレプリカどっちを買う?

なお、別のサメの歯との見分け方は、メガロドンの形や大きさの特徴を知っておくと判断しやすくなります。

▶ メガロドンの化石図鑑

この記事では、特に見分けにくい補修品と継ぎ接ぎ品を中心に、確かめ方を紹介していきます。

買う前に通販・フリマの写真で確かめる

通販やフリマアプリでは、実物を手に取れないため、写真と説明文だけで判断する必要があります。購入ボタンを押す前に、次の5つを確認しておきましょう。

メガロドンの歯を買う前に写真で鋸歯・歯根・補修表記などを確認する方法

鋸歯が自然にそろっているか

メガロドンの歯の縁には、ノコギリのような細かいギザギザ(鋸歯)があります。本物の鋸歯は細かくそろっていながら、先端や根元に近づくにつれて少しずつ小さくなります。

一部がすり減っていたり、欠けていたりするのは、本物の化石ではよくあることです。これに対し、次のような歯は、少し注意して見てみましょう。

  • 鋸歯が機械的に均一すぎる
  • 鋸歯が丸くつぶれている
  • 一部だけ鋸歯が鋭すぎる

一部だけ鋸歯が新しく見える場合は、欠けた縁を補修して、鋸歯を彫り直している可能性があります。縁の写真を拡大して、左右の端まで見比べてみてください。

エナメル質と歯根の境目が自然か

メガロドンの歯は、ツヤのあるエナメル質の部分と、ザラザラした歯根の部分に分かれています。その間には、ボレットと呼ばれる帯状の部分があり、山形のカーブを描くように境目をつくっています。

本物では、この境目が自然につながって見えます。一方、レプリカでは帯がぼやけていたり、色を塗っただけの平らな線に見えたりすることがあります。

継ぎ接ぎ品の場合は、歯冠と歯根で色や質感が急に変わる線が出ることもあります。表と裏の両方の写真で、境目の線を確認しておきましょう。

歯根の質感と色がなじんでいるか

本物の歯根には、細かい穴や凹凸、ざらつきがあります。長い年月のあいだに削れたり欠けたりして、左右の端が崩れていることも珍しくありません。

反対に、歯根が左右対称で欠けひとつない歯は、注意が必要です。特に大型の歯は、歯根の端だけを補修して形を整えたものが多く流通しています。

インドネシア産のメガロドンは歯根がやわらかく、掘り出すときに傷みやすいといわれます。そのため、歯根の補修がよく見られる産地として、海外の化石販売店でも注意が呼びかけられています。

大きさに対して値段が安すぎないか

メガロドンの歯は、大きく状態がよいほど値段が上がります。10cm前後の欠けのない歯が数千円で売られている場合は、レプリカや補修品の可能性を疑いましょう。

ただし、小さな歯や欠けた歯であれば、本物でも数千円で買えることがあります。値段だけで判断せず、大きさと状態をセットで見ることが大切です。

大きさごとの販売価格は、国内の専門店・通販で調べた次の記事で確認できます。

▶ メガロドンの歯はいくらで買える?

説明文に補修やレプリカの表記があるか

信頼できるショップは、補修の有無や範囲を説明文に書いています。次のような言葉がないか、説明文を最後まで読みましょう。

  • 補修あり
  • レストア
  • 修復済み
  • レプリカ
  • 復元模型

英語の説明では「restored」「repaired」「replica」「cast」などが目印です。補修について何も書かれていない場合は、購入前に質問してみてください。

あわせて、裏面や側面、歯根の端の写真がない場合は、追加の写真をお願いするのもひとつの方法です。質問にきちんと答えてくれるかどうかも、出品者を見極める材料になります。

手元の歯を実物で確かめる

すでにメガロドンの歯を持っている場合は、写真よりも多くの情報から確かめられます。特別な道具がなくても、身近なものでできる方法から試してみましょう。

メガロドンの歯を重さ・ルーペ・ブラックライトで安全に確認する方法

重さと冷たさを確かめる

本物のメガロドンの歯は、長い年月をかけて鉱物に置き換わった「石」です。そのため、手に載せると見た目以上にずっしりと重く感じます。

また、触れた瞬間にひんやりとした冷たさがあるのも、石ならではの特徴です。樹脂のレプリカは軽く、触ってもあまり冷たさを感じません。

ただし、石粉などを混ぜた重いレプリカもあるため、重さだけで本物とは言い切れません。ほかのポイントと合わせて判断しましょう。

ルーペで継ぎ目や塗りむらを探す

補修や継ぎ接ぎは、肉眼では見えなくても、ルーペで拡大すると見つかることがあります。明るい場所で、表と裏をゆっくり観察してみてください。

  • 細いひびのような線
  • まわりと違うツヤ
  • 塗料の筆あと
  • 小さな気泡の穴

補修部分は、充填材を塗って色を合わせているため、そこだけツヤや色合いが違って見えることがあります。充填材の中に閉じ込められた小さな気泡も、補修を見つける手がかりです。

なお、ルーペは、10倍前後のものがあれば補修跡の確認に十分です。選び方は次の記事でまとめています。

▶ 化石観察用ルーペおすすめ8選

ブラックライトを当てて補修を探す

暗い部屋で歯にブラックライト(紫外線ライト)を当てると、補修部分が見つかることがあります。補修に使われた接着剤や充填材が、周りとはまったく違う色に光ることがあるためです。

ブラックライトは、波長365nm前後のものが化石の確認によく使われています。数千円程度で手に入るため、高価な標本を持っている方は、1本用意しておくと安心です。

ただし、接着剤の中には紫外線に反応しないものもあります。光らなかったからといって、補修がないとは限らない点に注意しましょう。

ライトの選び方と当て方は、次の記事でまとめています。

▶ 化石用ブラックライト(UVライト)おすすめ5選

削る・熱する方法は避ける

インターネットでは、熱した針を当てる方法や、目立たない部分を削る方法が紹介されていることもあります。しかし、これらは本物の化石を傷つけてしまうため、おすすめできません。

一度ついた傷は元に戻らず、将来手放すときの評価も下がってしまいます。自分で確かめられる範囲で判断がつかないときは、次の章の方法で専門家に頼りましょう。

本物か迷ったときの対処法

ここまでの方法で確かめても、判断がつかないことはあります。特に、上手に補修された歯や継ぎ接ぎ品は、慣れた人でも見分けるのが難しいものです。

迷ったときは、ひとりで抱えずに次の方法を試してみてください。

購入先に産地と補修の有無を聞く

まずは、購入したショップや出品者に問い合わせてみましょう。聞いておきたいのは、次の3つです。

  • 産地はどこか
  • 補修はあるか
  • 補修の範囲はどこか

誠実な販売者であれば、補修の有無や範囲を具体的に答えてくれます。フリマやオークションで買った場合は、取引の評価を済ませる前に問い合わせておくと安心です。

専門店や買取店に見てもらう

購入先の回答に納得できないときは、化石の専門店や買取店に相談する方法があります。博物館で調べてもらえるのは主に種類の名前で、補修の有無や値段まで見てもらいたい場合は、専門店や買取店が向いています。

▶ 化石の鑑定はどこでできる?

写真で査定を受ける場合は、表と裏、境目や歯根のアップなどを撮っておくと、判断してもらいやすくなります。

▶ 化石の査定写真は何を撮る?

補修の有無は、メガロドンの歯の買取価格にも大きく関わります。売ったときの値段の目安や、化石を買い取ってくれるお店は、次の記事で紹介しています。

▶ メガロドンの歯の買取相場はいくら?
▶ 化石買取おすすめ4選!

次は情報がそろった専門店で選ぶ

これから買い直す場合は、産地や補修の有無を明記している化石の専門店を選ぶのが近道です。通販で選ぶなら、商品ページの情報が丁寧なお店を比べてみましょう。

▶ 化石が買える通販ショップ比較

実物を手に取り、補修の有無をその場で質問できるミネラルショーも、安心して選べる場所のひとつです。

▶ ミネラルショーで化石を買うコツ

メガロドンの歯の本物・偽物に関するよくある質問

最後に、メガロドンの歯の本物と偽物について、よくある疑問に答えます。

Q
数千円で売られているメガロドンの歯は偽物ですか?
A

小さな歯や、歯の一部が欠けた標本であれば、本物でも数千円で販売されています。安いことだけで偽物と決めつける必要はありません。ただし、10cm前後の欠けのない歯が数千円の場合は、レプリカや補修品の可能性があります。大きさと全体の写真を必ず確認しましょう。

Q
補修されたメガロドンの歯は買わないほうがいいですか?
A

補修品であることが明記され、そのぶん値段が抑えられていれば、選択肢のひとつになります。大きなメガロドンの迫力を手頃に楽しみたい方には、補修品も向いています。一方で、将来手放すことを考えているなら、補修のない標本のほうが評価されやすい点は覚えておきましょう。

Q
偽物を買ってしまったらどうすればいいですか?
A

まずは購入先に連絡し、商品説明と違っていた点を伝えましょう。商品ページや、やり取りのメッセージは、画面を保存して残しておくと話が進めやすくなります。フリマアプリやネットオークションの場合は、取引を完了する前に、各サービスの問い合わせ窓口にも相談してみてください。

まとめ|メガロドンの歯は写真と実物の両方で確かめよう

メガロドンの歯の偽物には、まったくの作り物だけでなく、補修品や継ぎ接ぎ品のように本物の化石に手を加えたものもあります。大切なのは、本物かどうかに加えて、どこまで手が加えられているかを知ったうえで買うことです。

買う前は、鋸歯や境目、歯根の写真と説明文を確認し、手元にある歯は重さやルーペ、ブラックライトで確かめてみましょう。それでも迷うときは、購入先や専門店に相談して、納得できるメガロドンの歯を手元に残してください。

ほかの化石の偽物が気になる方は、次の記事もあわせて確認してみてください。

▶ 三葉虫の本物・偽物の見分け方
▶ アンモナイトの偽物・加工品の見分け方
▶ そのモササウルスの歯は本物?

参考文献