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化石とは?でき方をわかりやすく解説|化石になる条件・種類・できるまでの年数

JURANOTE FIELD NOTE / 化石を、ひとつずつ読み解く。
ンモナイトや三葉虫、サメの歯など代表的な化石

博物館で恐竜の骨やアンモナイトを見て、「どうしてこんなに長いあいだ残っているの?」と不思議に思ったことはありませんか。化石は身近な言葉ですが、いざ説明しようとすると意外と難しいものです。

この記事では、化石の基本を小学生にも説明できるくらいやさしく解説します。自由研究の下調べや博物館に行く前の予習、化石集めを始めたい方にも役立つ内容です。

化石とは?かんたんにいうと「大昔の生き物の体や生活のあと」

化石とは、大昔に生きていた生き物の体や、生き物が生活したあとが、地層の中に残ったものです。骨や歯、貝殻、葉っぱのような体の一部だけでなく、足跡や巣穴、フンなども化石に含まれます。

化石の定義

福井県立恐竜博物館では、化石を「昔の生き物の遺骸や痕跡が、地層の中に埋もれて保存されたもの」と説明しています。石のように硬くなったものもあれば、もとの成分がかなり残っているものもあります。

ポイントは、化石の条件が「石になっていること」ではなく、「地層の中に残っていること」だという点です。凍ったまま見つかるマンモスや、琥珀に閉じこめられた昆虫のように、石になっていない化石もあります。

化石は「約1万年前より古いもの」が目安

一般に、化石と呼ぶのはおおむね1万年前より古い時代の生き物の遺骸や痕跡です。約1万年前は、地球の歴史のうえで今の時代(完新世)が始まったころにあたります。

ただし、これは厳密なルールではなく目安です。
博物館や研究者によって扱いが異なる場合もあります。

化石に含まれないもの

生き物に関係があっても、次のようなものはふつう化石に含めません。

  • 石油や石炭
  • 雨のあと(雨痕)
  • 波のあと(漣痕)
  • 貝塚や人工のミイラ

石油や石炭は生き物からできたものですが、もとの形や構造が残っていないため化石とは呼びません。雨痕や漣痕は「雨の化石」「波の化石」と呼ばれることがありますが、生き物と関係がないため本来は化石ではありません。

また、人が捨てた貝殻が積もった貝塚や、人の手で作られたミイラも、自然に地層に埋もれたものではないため化石には含めません。化石と呼べるかどうかは、「生き物の体や活動のあとが、自然に地層に残っているか」で判断すると覚えておきましょう。

化石のでき方をわかりやすく5ステップで解説

ここでは、もっとも多いでき方である「水の底で埋まる」ケースを例に、化石ができるまでの流れを5つのステップで解説します。

恐竜の骨も貝の化石も、基本的にはこの流れで化石になります。

生き物が死んで埋まり地層の中で変化し隆起と侵食を経て化石が現れるまで

①生き物が死ぬ

生き物が死ぬと、その体は海や湖、川の底などに沈みます。陸で死んだ動物も、洪水などで川に流され、水の底にたどり着くことがあります。

ふつうは、死んだ体はほかの生き物に食べられたり、微生物に分解されたりして、あとかたもなく消えてしまいます。化石になれるのは、この先のステップがうまく進んだごく一部だけです。

②砂や泥にすばやく埋まる

化石になるためにいちばん大切なのが、死んだあとすぐに砂や泥に埋まることです。すばやく埋まると、ほかの生き物に食べられたり、酸素にふれて分解されたりするのを防げます。

川から大量の土砂が流れこんだときや、火山灰が降り積もったときなどに、生き物が一気に埋まることがあります。

③地層の中で長い時間をかけて変化する

埋まった体の上には、さらに砂や泥が積み重なっていきます。長い時間をかけて重さで押し固められると、砂や泥は岩石(堆積岩)になり、地層ができます。

その間に、皮膚や筋肉などのやわらかい部分は分解され、骨や歯、殻などの硬い部分が残ります。地下水にとけていた鉱物の成分が骨や殻のすき間に入りこんだり、もとの成分と入れ替わったりして、硬く丈夫な化石になっていきます。

④地殻変動で地層が持ち上がる

海や湖の底にできた地層は、そのままでは人の目にふれません。プレートの動きなどによる地殻変動で地層が押し上げられ、陸地や山になることで、化石が地表に近づきます。

山の上で貝の化石が見つかるのは、かつて海の底だった地層が持ち上がったためです。

⑤侵食で地表に現れ、発見される

持ち上がった地層は、雨や風、川の流れによって少しずつけずられていきます。けずられたことで地層の中の化石が地表に顔を出し、人に発見されます。

崖や川原、海岸などで化石が見つかりやすいのは、地層が露出していて、常にけずられている場所だからです。

このように、化石は「死ぬ→埋まる→変化する→持ち上がる→けずられる」という長い流れを経て、ようやく私たちの前に現れます。どれか1つでも条件がそろわないと化石は残らないため、化石は大昔の生き物のほんの一部の記録といえます。

化石になる条件

化石のでき方をふまえると、生き物が化石として残るにはいくつかの条件があることがわかります。主な条件は次の5つです。

生き物が化石として残りやすくなる5つの条件
  • 骨や殻など硬い部分がある
  • 死後すぐ砂や泥に埋まる
  • 酸素が少なく分解されにくい
  • 熱や圧力で壊されない
  • 数が多く広く暮らしている

貝やサンゴ、アンモナイトの化石がたくさん見つかるのは、硬い殻を持ち、水の底で暮らしていて埋まりやすかったためです。

反対に、クラゲのように体がやわらかい生き物や、山の上で暮らしていた生き物は、化石として残りにくいと考えられています。

化石の種類|体化石と生痕化石

化石は、何が残っているかによって大きく2種類に分けられます。生き物の体が残った「体化石」と、生活のあとが残った「生痕化石」です。

骨や歯などの体化石と足跡や巣穴などの生痕化石の違い

体化石(たいかせき)

体化石は、生き物の体そのもの、または体の一部が残った化石です。恐竜の骨や歯、アンモナイトや貝の殻、サメの歯、植物の葉や幹などがあてはまります。

博物館で見かける化石の多くは、この体化石です。

生痕化石(せいこんかせき)

生痕化石は、生き物が生活したあとが残った化石です。足跡、巣穴、はったあと、フンの化石などがあてはまります。

たとえば足跡化石は、次のような流れでできます。

  1. 水辺の泥に足跡がつく
  2. 泥が乾いて形が残る
  3. 上に砂や泥が静かに積もる
  4. 地層になり、のちに現れる

生痕化石からは、骨だけではわからない歩き方や群れの様子、食べていたものなどを知ることができます。

示準化石・示相化石という分け方もある

化石は、そこから何がわかるかによって「示準化石」と「示相化石」に分けることもあります。地層の時代がわかる化石を示準化石、当時の環境がわかる化石を示相化石と呼びます。

たとえばアンモナイトは中生代の地層であることを示し、サンゴは暖かく浅い海だったことを示します。2つの違いや代表例、覚え方は、「示準化石と示相化石の違いとは?」で詳しく紹介しています。

顕微鏡で見る「微化石」もある

化石には、目で見えないほど小さな「微化石」もあります。有孔虫や珪藻、放散虫など、顕微鏡で観察する小さな生き物の殻が代表例です。

微化石は一度にたくさん見つかるため、地層の時代を調べたり、昔の気候の変化を調べたりするのに役立っています。

化石の残り方は1つではない|6つのパターン

ひとくちに化石といっても、どのように残っているかはさまざまです。ここでは、代表的な化石の残り方を6つのパターンに分けて紹介します。

残り方しくみ主な例
鉱物がしみこむ骨や木のすき間に鉱物が入りこみ、硬くなる恐竜の骨
鉱物に置き換わるもとの成分が少しずつ別の鉱物と入れ替わる珪化木、黄鉄鉱になったアンモナイト
型だけが残る殻がとけてなくなり、形の型だけが岩に残る貝殻の型、植物の葉の跡
炭になって残る植物などの成分が炭素の薄い膜になって残る葉の化石
ほぼそのまま残る樹脂や氷にとじこめられ、体がほぼ残る琥珀の中の昆虫、凍ったマンモス
生活のあとが残る足跡や巣穴などが地層に残る恐竜の足跡、巣穴の化石

同じ恐竜の化石でも、骨そのものが残っているものもあれば、足跡だけが残っているものもあります。化石を見るときは、「どのパターンで残ったのか」を考えてみると、より楽しく観察できます。

でき方の違いで、化石の見た目や価値も変わる

化石の残り方は、見た目の美しさや価値にも大きく関わります。化石の売買を扱うジュラノートの視点で、代表的な例を紹介します。

化石でき方見た目の特徴
珪化木木の成分がシリカ(二酸化ケイ素)に置き換わった木目を残したまま石になり、磨くと光沢が出る
黄鉄鉱化したアンモナイト殻が黄鉄鉱に置き換わった金色に輝く
アンモライトアンモナイトの殻の真珠層が残り、変化した虹色に輝き、宝石として扱われる
琥珀の中の昆虫樹脂にとじこめられ、体がほぼそのまま残った細かな毛や羽まで観察できる
サメの歯歯の成分に周りの地層の鉱物がしみこんだ地層によって黒・茶・灰色などに色が変わる

このように、同じ種類の生き物でも、どの地層でどのように化石になったかによって、まったく違う見た目になります。

ジュラノート運営者が最初に手に入れた化石も、オトドゥス属のサメの歯とアンモナイトでした。サメの歯は産地ごとの色の違いを見比べやすく、でき方の違いを実感しやすい化石です。

保存状態や見た目の美しさは化石の価格を左右する大きなポイントで、詳しくは化石の価値を調べるページで解説しています。

化石ができるまで何年かかる?

化石ができるまでの年数に、決まった数字はありません。埋まった場所の環境や、鉱物を含んだ地下水の量などによって、化石化のスピードが大きく変わるためです。

一般に、化石と呼ばれるのはおおむね1万年前より古いものです。ただ、博物館などで見る化石の多くは、数百万年〜数億年前の地層から見つかっています。

化石生きていた時代
三葉虫約5億2000万〜2億5000万年前
恐竜約2億3000万〜6600万年前
アンモナイト約4億〜6600万年前
メガロドン約2300万〜360万年前

長い時間をかけて地層が重なり、鉱物がゆっくりとしみこむことで、丈夫な化石になっていきます。手にした化石がどの時代のものかを知ると、その化石が過ごしてきた時間の長さを実感できるでしょう。

化石は石?骨?成分は何でできている?

「化石は石なのか、骨なのか」という疑問には、「どちらの場合もある」が答えになります。化石の残り方によって、成分が大きく違うためです。

恐竜の骨の化石の多くは、骨のもとの成分を残しながら、すき間に鉱物がしみこんで硬くなったものです。つまり、骨でもあり、石のようでもある状態といえます。

一方で、珪化木や黄鉄鉱化したアンモナイトのように、もとの成分がほとんど鉱物に置き換わり、石そのものになった化石もあります。反対に、琥珀の中の昆虫や比較的新しい時代の貝殻のように、もとの成分がかなり残っているものもあります。

化石の成分は、骨や殻のもともとの成分と、周りの地層からしみこんだ鉱物の組み合わせで決まると考えるとわかりやすいでしょう。

人間も化石になる?

人間の祖先である人類の化石も、世界各地で見つかっています。日本でも、沖縄県で約2万〜2万2000年前の人骨「港川人(みなとがわじん)」が見つかっています。

沖縄で古い人骨が見つかりやすいのは、土の性質に理由があります。日本本土の多くは火山灰による酸性の土で骨がとけやすいのに対し、沖縄は石灰岩によるアルカリ性の土で、骨がとけにくいのです。

現代の人間も、条件がそろえば化石になる可能性はあります。ただし、すばやく埋まり、地層の中で長い時間守られるという条件が必要なため、ほとんどの場合は化石として残りません。

化石のでき方・化石とは|よくある質問

ここでは、化石についてよく寄せられる疑問にお答えします。

Q
なぜ生き物は化石になるの?
A

死んだあとすぐに砂や泥に埋まり、分解されずに残った体や生活のあとが、長い時間をかけて地層の中で硬くなるためです。地下水に含まれる鉱物の成分がしみこんだり、入れ替わったりすることで、丈夫な化石になります。

Q
化石って何?小学生にもわかるように説明すると?
A

「ずっとずっと昔に生きていた生き物の骨や貝殻、足あとなどが、土の中に残ったもの」です。生き物が砂や泥にうまり、長い時間をかけて石のように硬くなったものが多くあります。

Q
ゴキブリは生きた化石ですか?
A

ゴキブリによく似た昆虫は、3億年以上前の古生代石炭紀から化石が見つかっているため、「生きた化石」と呼ばれることがあります。ただし、現在のゴキブリと同じグループが現れたのはもっと後の時代と考えられていて、研究者の間では呼び方に慎重な意見もあります。「生きた化石」とは、大昔の化石とほとんど姿を変えずに今も生きている生き物のことで、シーラカンスやカブトガニ、オウムガイ、イチョウなどが代表例です。

Q
「化石化する」「化石」はどういう意味で使われる?
A

地質学では、生き物の遺骸が地層の中で化石になっていくことを「化石化」といいます。一方、日常会話やネット上では、「古くなって今ではあまり使われないもの」や「昔の考え方のままの人」をたとえて「化石」「化石化している」と表現することがあります。

Q
化石は自分で探せる?
A

全国には、化石発掘体験ができる施設や、化石が見つかる海岸・川原などがあります。初めてなら、スタッフに探し方を教えてもらえる発掘体験施設から始めるのがおすすめです。野外で探す場合は、私有地や採集が禁止されている場所に入らないよう、事前に確認しましょう。

まとめ

化石とは、大昔の生き物の体や生活のあとが、地層の中に残ったものです。最後に、この記事のポイントを整理しておきましょう。

  • 死ぬ→埋まる→変化→隆起→侵食
  • 硬い体とすばやい埋没が条件
  • 体化石と生痕化石の2種類がある
  • 骨が残る化石も、石になる化石もある

化石のでき方を知っていると、博物館の展示や手に取った標本が、ぐっと面白く見えてきます。実物にふれてみたくなったら、化石発掘体験や化石図鑑もあわせてのぞいてみてください。

参考文献